シリーズ企画「研究を事業にするには」の第2回の機会として「エンタメxテクノロジー」をテーマに開催させていただきました。
ソニーグループでの新たな可能性として期待される「エンタメxテクノロジー」の『実際』と『今後の可能性』について登壇者のみなさまと『本音ベース』でトーク形式で行わさせていただきました。
また前回の「メタバースとは」の続編的な位置付けとして企画させていただきました。
こちらではその内容を補足を含めてレポートさせていただきます。
目次
- 1 【アーカイブ動画はこちら】
- 2 【はじめに】
- 3 【みなさんが知りたいことまとめ】
- 4 【Sec1.エンタメxテクノロジーの取り組みや事例紹介】
- 4.1 エンタノベーションオフィスについて
- 4.2 新規ビジネスを創る過程(フロー)
- 4.3 「エンタメxテクノロジー」の事例紹介
- 4.4 SMEの最新エンタメ情報&事例満載のおすすめメディア『Cocotame(ココタメ)』のご紹介
- 4.5 LINE MUSICカラオケ機能/採点機能
- 4.6 ムーミンバレーパーク 「サウンドウォーク」
- 4.7 対話型キャラクターエージェント 「CHELULU(シェルル)」
- 4.8 研究と事業の間の大きなハードルについて
- 4.9 仮想空間エキシビジョン VRデビルマン展 & ソードアート・オンライン -エクスクロニクル- Online Edition
- 4.10 「失敗してもいいから挑戦する」「失敗を恐れずに行う」というSMEの文化
- 5 【Sec2.(トークセッション) エンタメxテクノロジー(エンタメビジネス)の実際とこれからの可能性】
- 5.1 SME EdgeTechプロジェクト本部の紹介とその中での取り組み
- 5.2 トークセッション・テーマ
- 5.3 「エンタメxテクノロジー」の企画はどこからはじまるのか?
- 5.4 「エンタメxテクノロジー」のマネタイズについて
- 5.5 新しいテクノロジーだけが「テクノロジー」なのか / 新しいテクノロジーを導入することに対する試行錯誤
- 5.6 若手佐々木さんからのトークセッション・テーマ
- 5.7 エンタメに人は何円までかけられると思うか? (マニアではなく、一般の人)
- 5.8 VRデビルマン展の金額設定について
- 5.9 「ビジネスモデル」を考えることの重要性
- 5.10 IPを正しく理解するということの重要性 / ソニーならではの強み
- 5.11 売れるエンタメと売れないエンタメの違いとは?
- 5.12 エンタメ分野での挑戦のモチベーション・情熱はどこからくるのか
- 5.13 エンタメ側で技術的にまだ無理と思っているけど実現できたらうれしいことは何か?
- 5.14 最後の質問:『研究を事業にするために必要なこととは?』
- 5.15 【補足】 石川さんによる考察スライド『プラットフォームとUGC』
- 6 【おわりに】
- 7 【アンケート結果まとめ】
- 7.1 Q.今回のイベントの内容で、良かった点、印象に残った点があればお書きください
- 7.2 Q.ご自身が求められる(欲しいと思われる)「エンタメ x テクノロジー」についてイメージがありましたらお書きください。
- 7.3 Q.今回の機会を通して「エンタメ x テクノロジー」に対する理解やイメージは変わりましたか? (どう変わられたかなどメッセージがありましたらお書きください)
- 7.4 Q.(イベントを通して)研究開発を事業に結びつけるのに必要なことは何だと思いますか?
- 7.5 Q.ご登壇のみなさまにメッセージがありましたらお書きください。
- 7.6 Q. 【今後に向けて】「応援のメッセージ」などがありましたらお書きください。(こういった「場」が必要かなども含めてご意見いただけると助かります)
- 8 【ご協力お願い】 アンケートを引き続き受け付けております。ご協力よろしくお願いします!
【アーカイブ動画はこちら】
※音量調整を施した修正バージョンになります。
ソニーグループ向けの限定公開方式
アーカイブ動画(YouTube限定公開/音量調整バージョン)
【はじめに】
シリーズ企画「研究を事業にするには」についてご紹介させていただきます。
このシリーズは「ビジネスの現場」と「研究開発」のコミュニケーションの「場」を創出することを目的としてR&Dのメンバーを中心に運営を行なっている活動です。
普段なかなか接点の少ない「ビジネス」と「研究開発」の現場をつなげ、「生の声」を伝える場として作っていけたらと思っています。
またそこから研究開発を事業へつなげるきっかけを作れればと思っています。
本シリーズ企画はトライアル開催です。
今後については新しい形も含めて検討して参ります。
本シリーズのコンセプトは登壇者のみなさまから「本音」を引き出すことにあります。
登壇者のみなさんが「本音」で話しやすいように「深夜ラジオ」のような雰囲気で行うことを心がけています。
雑談の中から新たな発見やアイデアの創出にもつながればと思っています。
企画から運営、配信においてさまざまな方にご協力いただいております。
この場を借りて御礼申し上げます。
前回『メタバース』とは2000名近くの方にご参加いただきました。
開催レポートについてもたくさんの方にご覧いただきありがとうございます。
下記より開催レポートをご覧いただけます。
ご興味ある方に引き続きシェアください!
前回『メタバースとは』開催レポートはこちら!
今回はエンタメビジネス、そしてソニーグループの新たな可能性「エンタメxテクノロジー」について知っていただく&考えていただく機会として開催しました。
「エンタメ」と「テクノロジー」を掛け合わせて「新しい価値」を生み出すために必要なこと、そしてエンタメビジネスの本質や実際への理解についても知っていただけたらと思っています。
それらのことよりソニーグループならではの『新しい可能性』についてみなさんと考える機会にできればと思います。
前回「メタバースとは」との続編企画として、その中で触れた課題や「ソニーならではの可能性」について、引き続き触れていきます。
エンタメビジネスの本質や実際を知ることから、これからの「メタバース」のような『新しいエンタメビジネス』の創出においてもブレない『視点』を持っていただけるヒントについてもお伝えできればと思っています。
今回もご紹介事例などの情報をまとめた『補足資料』をご用意しています。
下記よりアクセスください!
ご紹介事例などの『補足資料』はこちら!
https://basecamp-online.com/res-busi-vol2-info/#case-study
参加者アンケートまとめはこちら!
【みなさんが知りたいことまとめ】
今回もファシリテーターのR&D事業探索部門の安達さんにみなさまのお申し込みアンケートからの分析を行なっていただきました。
頻出ワードとしては今回のタイトルワードでもある「エンタメ」と「テクノロジー」そして前回テーマでもある「メタバース」が続きます。
ワードの大きさは頻出度、ワードの距離はそれぞれの関連性を表します。
みなさんが知りたいことについてもまとめていただきました。
○コンテンツをどう生かすか、映像技術やエンタメビジネスの期待について
○複数事業連携、既存/新規事業間の融合の課題について
○メタバースと組み合わせる新しい体験、楽しい体験を通じたビジネス発展について
○ソニーならではのエンタメとテクノロジーの可能性の最新動向について
アンケートにご記入いただいた内容より、今回のトークテーマにも反映させていただきました。
【Sec1.エンタメxテクノロジーの取り組みや事例紹介】
Sec1.ではSMS(ソニー・ミュージックソリューションズ) ビジネスクリエーションカンパニー
エンタノベーションオフィスの松崎知子(まつざきともこ)さんにご登壇いただきました。
SMSでの「エンタメxテクノロジー」の取り組み、これまでの事例についてご紹介いただきました。
松崎さんはAnimeJapanでのPoCをきっかけに、さまざまなIP x テクノロジー企画の推進を担当されています。
https://www.anime-japan.jp/
エンタノベーションオフィスについて
松崎さんが所属するSMSの『エンタノベーションオフィス』についてもご紹介いただきました。
会社としてエンタメとテクノロジーの新しい可能性を含む新規事業部門の設立にあたって、単に「新規事業開発室」という普通の名前をつけるのではなく、もっと面白い名前をつけた方がいいということで会社の周年スローガンでもあった「エンタノベーションオフィス (エンタメ + イノベーション)」と決まったそうです。
エンタテインメント目線でイノベーションを起こし、社会がもっと楽しくなるような感動や驚きを提供すること。
【Mission】
次世代サービスやプラットフォームを構築し、SMSの新しいソリューションを作ること
【Purpose】と【Mission】に挙げられているようにエンタメを軸にさまざまな挑戦をされている部署です。
ちなみにエンタノベーションオフィスは企画室ではなく、営業部門であり、しっかりと収益を出すところまで含めて事業を立ち上げていこうという強い想いの元に活動されているとのことでした。
新規ビジネスを創る過程(フロー)
最初に『新規ビジネスを創る』過程(フロー)についてご紹介いただきました。
『サービスのアイデア』については意外にも『雑談』からヒントを得ることが多いとのこと。
また『SF作品』からヒントを得られることも多いとのことでした。
そこから実際にビジネスとして成り立つかどうかについて『マーケティング戦略』を考えられていくとのことでした。
マーケティング戦略でうまくいかないとわかった時にはその解決策を探したり、時には再び『サービスのアイデア探し』へ戻り、新たな可能性を探すことも行われるとのことでした。
新たなアイデアやコンセプトの実現可能性やそれによって得られる効果などについて検証すること。
検討したアイデアやコンセプトの実現可能性を見極め、期待した効果が得られるかどうかの判断を行うこと。
ビジネス仮説や費用対効果、損益分岐などを含む事業的な有効性を検証すること。
部門としてはサービスイン前後の活動も大きなウェイトを占めているということで、「段階を踏んだ市場テスト」や「サービスインをした後の体制づくり(保守も含め)」にも力を入れられているということでした。
「エンタメxテクノロジー」の事例紹介
ここからはこれまで取り組まれてきた「エンタメxテクノロジー」の事例についてご紹介いただきました。
SMEの最新エンタメ情報&事例満載のおすすめメディア『Cocotame(ココタメ)』のご紹介
SMEが取り組む最新エンタメ情報やこれまでの事例についてはSMEの自社メディア(オウンドメディア)の『Cocotame(ココタメ)』をご覧いただくのをオススメします。
新しいエンタメのトレンドの発信から「エンタメxテクノロジー」の裏側まで濃い情報を本当に丁寧な記事でまとめられています。
SMEのみなさまの取り組みを知る上でもぜひチェックください!
Cocotame (ココタメ)
https://cocotame.jp/
「エンタメxテクノロジー」の事例についてはこちらより検索できます。
(#テクノロジーの記事)
https://cocotame.jp/word/category-technology/
LINE MUSICカラオケ機能/採点機能
1つ目の事例として「LINE MUSICカラオケ機能/採点機能」をご紹介いただきました。
LINE MUSIC関連情報
『LINE MUSIC』でカラオケを実現させた「音源分離技術」は過去と現在の音をつなぐ夢の技術だった【前編】
https://cocotame.jp/series/016464/
『LINE MUSIC』でカラオケを実現させた「音源分離技術」は過去と現在の音をつなぐ夢の技術だった【後編】
https://cocotame.jp/series/016476/
LINE MUSICの「カラオケ機能」はソニーグループR&Dの「音源分離技術」を使って実現しているそうです。
先日アップデートが行われ、新たに「採点機能」も搭載されたということです。
LINE MUSIC、アップデートで3つの新機能を追加
https://note.linemusic.jp/n/n94bc07b86dff
ボーカル除去処理はリアルタイムに行われているそうで、リアルタイムでの処理だからこそハードルの高い著作権許諾についても理解をいただき実現しているそうです。
LINE MUSICのカラオケ機能の良さは、原曲を使ったカラオケができるところにあるということです。
一般的なカラオケシステムは別途作成したMIDIデータを再生しているため、原曲を使っているのはLINE MUSICならではの強みだということでした。
カラオケ機能の実現は、企画提案者が「絶対に原曲でカラオケ」がしたいという情熱から始まったそうです。
そこから技術を探したところ、R&Dの「音源分離技術」にたどり着いたそうです。
技術も大事ながらも「こうやったら楽しい」という情熱を元にアイデアを出していくこともとても重要で、情熱があるからこそその後の実現までの高いハードル(長い開発&調整期間)も超えていけるとお話されていたのがとても印象的でした。
サービスをリリースして外部へ情報発信することで、外から「こんなこともできるんでしょうか?」のような問い合わせがあり、次につながるきっかけにもなったそうです。
技術を世の中にソリューションとして出していくことで広がる可能性を知ることができました。
ソニーグループのさまざまな技術が新しい体験として外へ発信されていくことが楽しみになるような事例でした。
ムーミンバレーパーク 「サウンドウォーク」
2つ目の事例としてムーミンバレーパークでの「サウンドウォーク」の取り組みをご紹介いただきました。
Sound AR™関連情報
ムーミン谷の音を現実に拡張させる技術『Sound AR™』――音で伝えるムーミンの物語の世界観【前編】
https://cocotame.jp/series/008970/
ムーミン谷の音を現実に拡張させる技術『Sound AR™』――音で伝えるムーミンの物語の世界観【後編】
https://cocotame.jp/series/008971/
Locatone Official Site
https://www.locatone.sony.net/
ソニーの「Sound AR」技術を活用したサウンドデバイスアトラクションとして、現在はソニー株式会社が「Locatone(ロケトーン)」としてサービス展開されているそうです。
スマホのGPS機能を使われていて、特定のスポットを訪れることで設定した音声が流れます。
「風が吹いた」「誰かが歩いてきた」というような臨場感あふれる演出ができるそうです。
SMSとしては「コンテンツ制作」や「運用の上での課題の洗い出しやビジネス化のサポート」などを担当されたそうです。
実際に試すことで、コンテンツ制作に実際にどのくらいの工数が必要なのか、コンテンツごとの作り方、プロモーションの仕方などさまざまなことに気付かされたそうです。
「まずはやってみる」という姿勢で挑戦することの重要性をお伝えいただいた事例でした。
ムーミンバレーパークをターゲットに選ばれた理由としては、「クローズドな環境であることでのテストのやりやすさ」を1つ挙げられていました。
また美しい風景などのロケーションがあったことも理由の1つで、その場をSound ARでいかにして盛り上げるかということなどを考えられたそうです。
https://www.locatone.sony.net/ch/8/
しながわ水族館でのコンテンツもこだわって作られたそうで、実際に「イルカの声の録音」などもされているそうです。
お客さんにどんな楽しみを体験してもらえるかというこだわりが詰まったサービス、ぜひみなさまもご体験ください。
また「サウンドウォーク」のネーミングについても伺ってみました。
ネーミングに秘められた価値も含めて、「どのようにお客様に楽しみ」を伝えていくか、ということは本当に大変なポイントだということです。
さまざまな試行錯誤を繰り返しながらお客様に価値を伝えていくということに取り組まれているそうです。
対話型キャラクターエージェント 「CHELULU(シェルル)」
3つ目はソニーの音声認識やシナリオ対話ツールなどの対話エージェント技術を駆使した、対話型キャラクターエージェント「CHELULU(シェルル)」をご紹介いただきました。
対話型キャラクターエージェント関連情報
CHELULU OFFICIAL SITE
https://chelulu.jp/s/chelulu/?ima=1939
音声合成技術が切り拓く、新時代のキャラクタービジネス
https://cocotame.jp/series/008826/
ソニーのキャラクター対話AI技術
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/research/projects/character_conversation_AI/
バーチャル女子アナ「沢村碧(さわむらみどり)」、ソニーが提供開始 原稿を自動読み上げ
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1708/03/news108.html
アバターエージェントサービス 沢村碧(さわむらみどり)
http://avataragentservice.jp/
対話型キャラクターエージェントサービスを提供して、受付に配置してもらったり、ニュースを読み上げてもらったりしているそうです。
現在の形に至るまでは本当にさまざまな試行錯誤を長い時間かけて行われてきたそうです。
過去にトライアルでアプリとして「めざましマネージャー アスナ」という形でもリリースされています。
「めざましマネージャー アスナ」開発者に聞く“俺の嫁”が日常に溶け込む未来
https://japan.cnet.com/article/35067902/
Oculus創設者のパルマーさんもSAO展向けのトークの中で「めざましマネージャー アスナ」を絶賛されています。
Oculus創設者パルマーさんとイベントについての貴重なスペシャル対談が実現
さまざまな取り組みを通して可能性を探しながらも、事業会社という立ち位置での苦労も多いとのことです。
SMEでは事業会社が受け持つまでの手前の部分を行う部署(SMEヘッドクォーターのマーケティングオフィス)もあり、そことの協力して検討ステップを踏むという段階を経ることもあるそうです。
現在はSME EdgeTechプロジェクト本部(後述)という組織があり、事業化を考える前のものをそちらで検討しているということです。
そこで目処が立ったものがその後、事業会社へバトンタッチされるそうです。
対話型キャラクターエージェントはこれまでマネタイズなどの点で苦労されてきたそうですが、これからのメタバースの分野なども含めてさまざまな期待がされているということです。
研究と事業の間の大きなハードルについて
研究と事業との間の大きなハードルについてもお話いただきました。
その大きなハードルを渡るためにも真ん中に一つ組織があることが必要なのではということを実際の体験よりお話されていました。
ビジネスとしてスケールさせていけるのかどうかというところも含めて、テストを行える「場」が必要だとのことでした。
SMEでもエンタノベーションオフィスやEdgeTechプロジェクト本部のような組織が重要な役割を果たされているというお話がとても印象的でした。
またソニーグループ全体でもそのような役割を担う場が必要なのではとお話されていました。
仮想空間エキシビジョン VRデビルマン展 & ソードアート・オンライン -エクスクロニクル- Online Edition
4つ目の事例として仮想空間エキシビジョンの「VRデビルマン展」と「ソードアート・オンライン -エクスクロニクル- Online Edition」をご紹介いただきました。
VRデビルマン展 関連情報
『VRデビルマン展』の成り立ち――仮想空間で行なう哲学エンタテインメント・エキシビション【前編】
https://cocotame.jp/series/019768/
『VRデビルマン展』の成り立ち――仮想空間で行なう哲学エンタテインメント・エキシビション【後編】
https://cocotame.jp/series/019781/
VR デビルマン展 Official
https://virtualutopia.jp/s/v01/?ima=2238
ソードアートオンライン展 EXCHRONICLE Online Edition 関連情報
オンラインイベントのVR化で見えてくる『ソードアート・オンライン』が拡張しつづける理由【前編】
https://cocotame.jp/series/025191/
オンラインイベントのVR化で見えてくる『ソードアート・オンライン』が拡張しつづける理由【後編】
https://cocotame.jp/series/025210/
両プロジェクトとも共通点があります。
「Project Lindbergh(ソニーグループ横断のVRプロジェクト)」の開発した仮想空間エキシビジョン基盤を使用したオンライン展示会であるということです。
これらのプロジェクトで貯めたノウハウが今後のメタバース分野でも活かせることを期待されているそうです。
VRデビルマン展は先進映像コンテンツを表彰するコンテスト「ルミエール・ジャパン・アワード2021」でグランプリを受賞されたそうです。
ソードアートオンライン展のOnline Editionは昨年一度開催され、海外含むさまざまな方面で好評だったそうです。
2月末よりも海外を中心に再度の開催が実施されています。
オンラインの展示を手がけることになった経緯としては、SMS(ソニー・ミュージックソリューションズ)がこれまでリアルの展示会を手がけてきたことに起因するそうです。
リアルの展示会のノウハウを元に如何に仮想空間の展示会を行うかというところから挑戦が始まったそうです。
「コンテンツの新しい見せ方」についてさまざまな協議を重ね、トライアルを行われたとのことでした。
「失敗してもいいから挑戦する」「失敗を恐れずに行う」というSMEの文化
ただVRデビルマン展は受賞を含め好評ではあったものの、事業的には想定通りにはいかず大きな課題が残ってしまったとのことでした。
しかし「挑戦したことで得られたことの価値は大きい」という意識のもと、終了後にはそれぞれの担当スタッフが反省点などや改善点を出し合って170ページ以上のレポートをまとめられたそうです。
それは今後の新しい取り組みを行う上での大きな財産になるとのことでした。
「失敗してもいいから挑戦する/失敗を恐れずに行う」そのチャレンジ精神を大事にされているSMEならではの貴重なエピーソードを伺うことができました。
「リスクが大きかったとしてもそれを上回る知見を得ることができる」という言葉は本当に説得力があるものと感じました。
「利益以上に得るものがあることを理解していただいて、決済承認いただくことも大事」というお話もとても印象的でした。
松崎さん自身も部下の方へ「リスクを恐れずにチャレンジしてほしい」と伝えているそうです。
○IPを選ぶ際に、IPのファンのITリテラシーを把握する
○どのデバイスを選択するのか
○面白さを伝える方法を考える(体験会など)
○コンテンツへ入っていくきっかけを作る(メタバースなどについても同様)
○リアル空間との違いを把握し、仮想空間からならではの特性やどこまで作るかを決める
【Sec2.(トークセッション) エンタメxテクノロジー(エンタメビジネス)の実際とこれからの可能性】
Sec2は新たなゲストも含めてのトークセッション形式でお送りしました。
Sec1でご登壇の松崎さんに加えて、SME EdgeTechプロジェクト本部の高橋さん、R&Dの石川さん、SOMK(ソニーマーケティング)の佐々木さんにご参加いただきました。
R&D石川さんは前回に引き続き2回目の登場です。
業務でのXRインタラクション開発だけでなく、ご自身でもVRフェスでのアーティストしての出場経験などプライペートでもさまざまな挑戦をされています。
ビジネス化に対しても強い熱意を持たれて日々研究に挑まれています。
佐々木さんは前回の事後アンケートより企画にご興味ありとご連絡いただき、今回の企画に参加いただきました。
現在入社2年目ということでフレッシュな視点からトークセッションテーマなどについてもまとめていただきました。
SME EdgeTechプロジェクト本部の紹介とその中での取り組み
SMEからのお二人目のゲストということでDI統括本部 先端テクノロジー探索チーム 兼 EdgeTechプロジェクト本部 AXチームの高橋さんにご登壇いただきました。
高橋さんはアニプレックスでの法人営業からアニメ映像制作、ソーシャルゲーム、PCゲームの制作を経て、現在はSMEで先端技術のエンタメへの応用などを試す「EdgeTechプロジェクト本部」にてご活躍されています。
SMEでのデジタルイノベーショングループの組織についてもご紹介いただきました。
「DI統括本部」はSMEグループ全体のIT推進の中核部署としてシステム戦略を検討、策定、実行されているということでした。
そして「EdgeTechプロジェクト本部」は新規事業を事業会社に渡すまでのインキュベーション(育成)の受け皿として、またソニーグループ横断プロジェクトの運営と推進を担う部署として役割を持たれているとのことでした。
EdgeTechプロジェクト本部の一例として、高橋さんも関わられていた「LSチーム」の活動についてご紹介いただきました。
LSチームではオンラインの音楽ライブ配信にまつわる技術を開発されているそうです。
LSチームでの取り組みの1つとして「撮影から視聴までのワンストップライブ配信ソリューションの開発」を行われているそうです。
コストや手間のかかる部分を排除して省力化することを目指されて開発されているとのことでした。
また省力化だけでなく、「お客様の視聴体験の向上」も目標とされているそうです。
次世代ライブソリューションの取り組みの中で高橋さんが関わられていた「高付加価値WG」「翻訳字幕WG」についてご紹介いただきました。
1つの事例としてソニーR&Dと共同開発の「推しメンズーム」をご紹介いただきました。
自分が応援しているアイドルやグループで一番お気に入りのメンバーのこと、またはお気に入りのモノ